2013年3月1日金曜日

生態学会・サンゴ–植物 企画集会やります

無事に終了しました。来場いただいた皆さま、また演者、コメンテータの皆さまありがとうございました!

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直前になりましたが、来る第60回日本生態学会大会(静岡)にて、標記の企画集会を開催するので、ご案内いたします。
(大会ページの本集会要旨など http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/60/T08.html
(今大会の案内 http://www.esj.ne.jp/meeting/60/大会案内2/

サンゴ礁群集は生態学全般においては特異で馴染みのない存在でしょうけれども、陸上の植物群落に相対するものと位置づけると非常に興味深い類似点・相違点が見えてきます。また、サンゴならではの特性を生かした研究の数々もご紹介できると思っています。企画者である私自身もサンゴ研究の歴史が浅いため、今なお新鮮な驚きをもって本集会を楽しみにしています。陸・海いずれの研究者もご来聴を歓迎します。


企画集会 T08 3月6日 14:30-16:30 H会場

「サンゴ礁生態学:植物生態学とのアナロジー」

企画者: 熊谷直喜(琉大・熱生研), 井口 亮(琉大・熱生研), 向草世香(JSTさきがけ,長大・水産,琉大・熱生研)

本集会では、生態系基盤を構成する生物群として、陸上植物に相対するサンゴを捉える。それを踏まえてサンゴ礁生態学と植物生態学の類似・相違点を整理し、陸域と海域の生態系のより一般的な理解を目指す。

造礁サンゴは、動物でありながら固着性であり群体性の体制をとっている。さらに体内に共生する褐虫藻を通じて一次生産を担うことから、陸上植物と比較して議論されることが多い。また、自らが大きな物理的構造を構築することで周辺環境と異なる生態系を構成し、生物多様性と生物生産の基盤となることも植物群落との大きな共通点である。しかし、これまで両者の生態学は十分に比較対照されてはこなかった。そこで本集会では、サンゴの植物とのアナロジーに着目し、個体(群体)、集団(個体群)、群集、生態系それぞれの階層に渡って、サンゴの生態学的研究を行なっている講演者を用意した。サンゴと植物の生態学研究の比較を行うことで、陸域と海域での生態学的現象の統一的な理解を進めるための方向性について議論する。

*コメンテータ:陸上植物の研究者お二人にお願いしています(竹中明夫・国立環境研究所、石塚航・東大総合文化)

[T08-1] はじめに:サンゴの個体・群集・生態系の基本構造について 向草世香(JSTさきがけ,長大・水産,琉大・熱生研)
[T08-2] 光合成と環境応答:光合成をおこなうことの利点と危険性 中村 崇(琉大・理)
(コメンテータ)CO2増加による生態学的応答について 井上志保里(東大・地惑)
[T08-3] 造礁サンゴの分子生態学的アプローチ:植物研究との比較 井口 亮(琉大・熱生研)
[T08-4] サンゴ群集の時空間動態モデリング:植物群集との対比 *熊谷直喜(琉大・熱生研), 向草世香(JSTさきがけ,長大・水産,琉大・熱生研)
[T08-5] サンゴと植物:似ているが、群集と個体群の特性は大きく違う 酒井一彦(琉大・熱生研)

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