2016年11月20日日曜日

潜水から無事に帰還する装備について考える

海中での潜水調査・作業をよくやる人の中には、ヒヤッとした経験のある人も多いだろう。私自身もかつてBC(浮力調節)ジャケットの弁のトラブルで強制浮上になってしまったことがあり、それ以降はとくに気になるようになってきた。

先週、知っている人の中で重大な潜水事故が起こってしまった。まったくもって今更ではあるけれど、ここでは海中または浮上後の海上でトラブルが起こった際に無事に帰還するための装備について考えてみたい。ご意見も歓迎します。

まず、流されてしまったか何かで、岸や船から遠い地点に浮上してしまった場合、BCに付属している笛を吹く程度では、よほど凪でもなければ気づいてもらえないだろう。他に入手しやすいものとしては、海面上に長く伸びるフロート(レギュレータからのエアを入れて膨らませられる)があるだろう。私も念のため持っているけれど、しかし実際これで十分に目立つのだろうか。

他の手段…例えばスマホを完全防水で携帯して、浮上したら電話するというのはどうだろうか。場合によってはアカウントを利用して、PCからスマホを探すことも可能な気がするのだけれど。

スマホに近いものとして、ココセコムというのがあるそうだ。子供やお年寄りに持たせておいて携帯電話網でマップ上で追跡が可能、料金的にもスマホ利用より安そうです。

無線を使うという手段は電波法上かなり難しいようだが、合法的にダイビングで使用できる製品もあるようだ(トランスポンダ SEAKER_1
船からのダイビングという形態を前提としているようだけれど、通常使用(自分の母船に連絡)と、緊急使用(母船とはぐれている場合に無線を受けられるすべての船に緊急発信が可能)の2通りの発信が可能というのが優れている。距離的には20 kmまで届くようなので頼もしい。

(2016.12.16 追記)意識があって海上で操作することが前提ですが、その条件ではかなり有効な製品が出たようです(個人用救難信号発信機 PLB)。精度100mで全世界対応。機器そのものは今年3月に日本で認可、防水ケースが先月末に発売された模様。無線局として申請・許可を得る必要があるなど取り扱いは注意ではあります。

では、意識がないけれど海面には浮かんでいる場合どうするか。上記の携帯を利用した方法が可能であったら使えそうではあるけれど、岸から遠くへ流されてしまっていたとしたら(携帯電話エリア外)アウトだろう。
登山用にはもう少し手軽な製品が出ているようだ(ヒトココ)。
こちらは最大距離 1 kmと短めだけれど、親機を安全なところに確保しておいて、わずか20gの子機を携帯していくという形で使用できる模様。完全生活防水とのことだけれど、ダイビングで使うなら何かしらの防水ケースが別途必要だろう。距離の制限はあるけれど、水面に浮いてさえしてくれればいいところは汎用性は高そうだ(意識の有無にかかわらず…)。

その他、ビーコンという案もいただいた。

またバイオロギングで海獣にGPS発信機を付けるという話もあるけれど、あれはダイビングの安全管理には使えないのだろうか?

しかし、もし沈んだままで浮いていなかったら、これらの手段はどうにもならないですね。。海底で作業している間に意識を失ったとしたら、中性浮力でなくエアは抜いた状態のはず。

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