クリーンインストールのEl Capitanに入れることを想定して手順を挙げておきます。まず、X11とHomebrew(パッケージ化されていないアプリを容易にインストールするための補助ツール?)を入れ、Homebrewを用いてWine(非Windows OS上でWin専用アプリケーションを実行する環境)をインストール、Wineのディレクトリ内にWinBUGSをインストールするという流れです。以前はMacPortsを使用していましたが、Homebrewの方がはるかに簡単のようです。以前利用できていたユーザの上の階層がEl Capitanでは使いにくくなったというのも大きな理由です。
なお、インストール作業はターミナルからUNIXコマンドを打ちながらのもの。sudoなどのコマンドは注意深く扱う必要があるようなので、チャレンジする際には慎重に。またXcodeもソフトウェア開発に使うような類のツールなので取り扱い注意です。参考にする際は、この辺りを理解の上、自己責任でお願いします…。
(下記、Rコードは緑、ターミナルのコードは紫にしてみます)
cf. Windows10でWinBUGSを使用するには一手間必要。Program Filesが変更不能になったため、User以下のフォルダにWinBUGSを入れるしか無い。
bugs(..., bugs.directory="C:/Users/ゆーざぁ名/Documents/WinBUGS14/")
のようにして、WinBUGS14.exeファイルを置いている階層を指定してやる必要がある(例は、ドキュメントフォルダ内にWinBUGS14フォルダを置いて、その直下のWinBUGS14.exeを呼び出す場合。"ゆーざぁ名"は御自身の使用しているものに置き換えてください)。
cf. usr/local階層に変更を加えるための認証は、OSのマイナーアップグレードの度に必要になるかもしれない。その場合、ターミナルで以下のコードを打ち込む
sudo chown $(whoami):admin /usr/local && sudo chown -R $(whoami):admin /usr/local
**********************
0)実行環境
・OSX10.11 (El Capitan) 搭載のMac
1)App StoreのApple IDを設定しておく
2)「アプリケーション」→「ユーティリティ」にある「ターミナル」を立ち上げる。
すると、冒頭にこのように出ている。
コンピュータ名:~ ユーザ名$
このドルマーク $ の後にコマンドを打っていく。
なお、インストールに関わるところでパスワードを求められるが、その都度、自分のアカウントのパスワードを入れる。
(以降、パスワードを入れる作業は説明を省略)
3) 下準備、/usr/local/フォルダを作る、ロックをいったん外して操作をするという動作のようなので、推奨されていない動作だということをお忘れなく。
リカバリモード(⌘+R を押しながら起動)で起動し、ターミナルを立ち上げる
4) ターミナルの $ マークの直後に、下記のコードを打ち込む(コピペでOK、以降も同様)
csrutil disable
5) 通常の再起動をする
6) ターミナルに下記を打ち込む(改行されて見えているだろうが、改行無しで打ち込む)
sudo mkdir /usr/local && sudo chflags norestricted /usr/local && sudo chown $(whoami):admin /usr/local && sudo chown -R $(whoami):admin /usr/local
7) 再度、リカバリモードで起動
8) 下記のコードを打ち込む
csrutil enable
9) 今一度、通常の再起動をする
10) homebrewをインストールする
ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
(せいぜい数分でインストールは終了するはず)
11) Wineのインストールを試みる、下記のコードをターミナルに打ち込む
brew install wine
数分ほどでエラーメッセージが出る、メッセージの最後に下記のように書かれている
To continue, you must install Xcode from the App Store, or the CLT by running:
xcode-select --install
先にXcodeをインストールしておけば回避できるのだろうが、このやり方でインストールするほうがむしろ手間が省けるだろう。
12) 上記のメッセージ通り、下記のコードを打ち込む
xcode-select --install
すると、AppStoreからXcodeをインストールしてもよいかと聞かれるのでOKをする。
13) インストールが終わったら、再びWineのインストールを試みる
brew install wine
14) 回線速度にもよるが、良好な環境では30分程度でインストールは終わるだろう。これが終わったら、次のコマンドを打つ。
winecfg
しばらく処理音が聞こえた後、X11からWineの環境設定のようなウインドウが表示される。単に一番下のOKをクリックすればよい。
ターミナルにはエラーメッセージがいくつか出ているが気にしなくてよさそうだ。
Wineのインストールはたったこれだけで終わり…MacPortsの時の面倒を思えば、Wine自体のインストールはずっと容易になった。
パッチなどを当ててある展開済みのWinBUGSフォルダを用意する。Windows7、Windows8へのインストールも現在はこのやり方で行くしかないことを考えれば、Macでも同様にすればいいだろう。適用済みのWinBUGSも公開されている。
下記のコードで不可視フォルダにあるProgram Filesフォルダを開く
open ~/.wine/drive_c/Program\ Files/
ここへWinBUGSフォルダを入れればインストール完了
16)RからWinBUGSを実行する。下記のような単純なサンプルコードで試してみる。Wineを経由するので、bugs()内にそのためのコードがたくさん必要。
# R2WinBUGSのインストールをお忘れなく
require(R2WinBUGS)
# 真の値は、a=3, b=2, sd=1
X <- c(1:100)
Y <- rnorm(100, mean=(3 + 2*X), sd=1)
data <- list(X=X, Y=Y)
inits <- function() list(a=0, b=0, tau=1)
parameters <- c("a", "b", "sigma")
model <- function() {
a ~ dnorm(0, 1.0E-6)
b ~ dnorm(0, 1.0E-6)
tau ~ dgamma(1.0E-2, 1.0E-2)
for (i in 1:100) {
Y[i] ~ dnorm(mean[i], tau)
mean[i] <- a + b*X[i] }
sigma <- 1/sqrt(tau)
}
modelpath <- file.path(tempdir(), "model.bug")
write.model(model, modelpath)
mcmc <- bugs(
data=data, inits=inits, parameters=parameters, model.file=modelpath,
n.chains=3, n.iter=5000, debug=T,
working.directory=NULL, clearWD=T, useWINE=T, newWINE=T,
WINE="/usr/local/bin/wine", WINEPATH="/usr/local/bin/winepath")
print(mcmc) # ちゃんと真の値(a=3, b=2, sigma=1)が推定できたかチェックしよう
# 今回、opt/localではなくusr/localにパスを通すよう変更する必要が出た。以前のWINE、WINEPATHは/opt/local/bin/になっていたが、ここは/usr/local/bin/に変更していることに注意。
17)まだR上で下記のエラーコードが出るが、これはこちら(http://ggorjan.blogspot.jp/2008/10/runnning-r2winbugs-on-mac.html)によると害のないエラーコードらしい。要は推定計算さえ無事に行われていればよいだろう。
err:ole:CoGetClassObject class {0003000a-0000-0000-c000-000000000046} not registered
err:ole:CoGetClassObject class {0003000a-0000-0000-c000-000000000046} not registered
err:ole:CoGetClassObject no class object {0003000a-0000-0000-c000-000000000046} could be created for context 0x3
err:ole:CoReleaseMarshalData IMarshal::ReleaseMarshalData failed with error 0x8001011d
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